2019年3月28日木曜日

手元を離れた受信機

友人から電話があり、FURUNOの無線機が手に入って、修理しているけれど音が歪んでいる、どう思うと意見を聞かれた。
業務用の古い受信機の難点はコンデンサーの劣化で音が歪んでいる事が多い。
何点か話を聞いてから「近いうちに見に行くね」といっったものの気がかりで午後から友人宅を訪ねる事にした。

居間のテーブルにその受信機は乗っていて、測定器に繋がっていた。
「ありゃーこれは私がかつて持っていた受信機と同じ型番だ」

デザインが好きでずーっと持っていたかった受信機だけれど、転居するので処分した受信機と同じ物。
これは手強いぞ、長期間スイッチを入れなかったら受信機内の記憶装置が働かなくなり、周波数の可変が効かなくなる故障もあった。
増幅度が高いのだが、耳に刺さる雑音も多かった。
友人は根っからの技術者で、資料を集めたり回路図を分析したり、データを取ったりしながら故障箇所を特定し治す達人でいつも尊敬している。

実際に音を出して聴いてみると強い電波の放送はやや歪んだ音がする。
測定器から信号を注入して行きオシロスコープで見てみると確かに波形が歪む。
しかし私の持っていた受信機より内部の雑音量ははるかに少ない。
何か処置をしたと思えるので尋ねてみたら、大量のコンデンサーを新しい物に交換していた。その古いコンデンサーの内20個前後は容量不足や液漏れで不良になっていたと一覧になった部品記録を見せてくれた。さすが技術者。


それにしてもこの受信機、小さな傷まで私が使っていたものと似ている。
そこで入手先を聞いてみたら、どうも処分した行き先とどこかで繋がっているようだ。
もしそうだとしたら、とても嬉しい事だ。知らない人の所でお手上げだからとオークションに出されたり、バラバラに分解されて部品になってしまったら悲しい。
ルートは詮索して突き止めない方が良い、もう人系の記憶が不確かになっているから。
でも私が手放した受信機が奇跡的に友人の所まで辿り着いたとしたら本当に嬉しい。



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